白内障手術
● 白内障とは
私たちが目で見ている風景や物の像は、目の中の水晶体(カメラで言うレンズ)を通過した光が網膜(カメラで言うフィルム)で像を結んだものです。したがって水晶体が濁り始めると、水晶体で光が散乱するため、ものがぼんやりと霞んで見えたり、まぶしく見えたりするなどの症状が出現し、さらに進行すれば視力は低下し、眼鏡でも矯正できなくなります。
白内障になると、下記のような症状が出てきます。
・視界が霞んで見える
・以前に比べて光のまぶしさが増す
・どんなに矯正しても眼鏡が合わない
・物がぼやけて二重、三重に見える
・進行すると視力が低下してくる
このような症状が出てきたら、 当院まで一度ご相談ください。
● 白内障の日帰り手術
当院では、白内障の日帰り手術を行っており、入院の必要はありません。
手術は、点眼麻酔で施行します。手術中、痛みはほとんどなく、意識がありますので、医師やスタッフの声も聞こえますし、会話もできます。リラックスして手術をお受けいけただけます。
手術は顕微鏡を使用して行います。切開は2.5mmと非常に小さく、水晶体の濁った中身を超音波で砕いて取り出した後、人工の眼内レンズを挿入します。手術時間は通常10分以内です。
眼内レンズは、取り出した水晶体に代わって、ピントを合わせるはたらきをします。眼内レンズを挿入した後は、異物感は無く、取り外しの必要もありません。 一度挿入すれば、半永久的に使用できます。
◆ 眼内レンズの種類について
従来、眼内レンズは、単焦点眼内レンズでした。すなわち、すべての距離にピントが合うのではなく、ある1点にのみピントが合うタイプだったのです。そのため、ピントが合う距離以外を見たいときは、眼鏡が必要となります。 最近では「多焦点眼内レンズ」が登場し、遠方と近方の2ヶ所に焦点を持つため、度数がぴたりと合うと手元から遠くまでもほとんどの場合、メガネなしで見えるようになりました。近視、遠視、乱視に加え、老眼も同時に治すことの出来るため、眼鏡に依存しない日常生活が可能となります。 手術方法は、単焦点の白内障手術と同じですが、多焦点眼内レンズは健康保険適用外になります。ご希望の場合は、ご相談ください。
硝子体手術
● 硝子体手術とは
硝子体(しょうしたい)とは、眼球内の大部分を占めている透明なゼリー状の組織です。この組織が炎症や出血などにより混濁したり、網膜を牽引して網膜剥離となったりすると、さまざまな疾患を引き起こす原因となります。 この硝子体を切除するために、白目の部分に小さな穴を3ヶ所開け、そこから細い器具を眼内に挿入し、眼の中の出血や濁りを硝子体と一緒に取り除いたり、網膜に出来た増殖組織などを除去し、網膜の機能を回復させる手術を硝子体手術と言います。
現在では手術機械の発達や手術技術の進歩により、安全に行えるようになりました。 硝子体手術の適応になる疾患には、糖尿病網膜症、黄斑前膜、網膜剥離、黄斑円孔などがあります。
当院では25ゲージ(切開0.5mm)を用いた無縫合硝子体手術を日帰りで行っています。 ただし、病状や全身状態により入院が望ましい場合もあり、その場合は入院加療ができる施設に紹介させていただきます。
● 手術方法
当院での硝子体手術は局所麻酔下で行います。手術室で眼の消毒をした後に眼の下の部分に麻酔の注射をします。それでも手術中痛みを感じる場合は麻酔を追加することで痛みを取り除くことが可能です。
◆ Step.1
まず白目の部分に手術機器を挿入する小さな穴(0.5mm)を3ヶ所開けます。1つ目は術中に眼球の形態を保つための灌流液(かんりゅうえき:眼内液と似た成分の液)を入れるため、2つ目は眼内を照らす光ファイバーを入れるため、3つ目は硝子体を切断吸引するカッターと呼ばれる器具やレーザーを入れるためです。
◆ Step. 2
硝子体を切除します。切除した分量だけ眼内に灌流液が入り、置き換わっていきます。その後は疾患により、網膜上に張った膜をピンセットのような器具でめくったり、増殖膜と呼ばれる分厚い膜をハサミで切り取ったり、網膜にレーザーを照射したりと、必要に応じて処置を行います。 非常に小さな傷口ですので、縫合の必要はほとんどの場合必要ございません。
その他の診療案内
● まぶたの手術
ものもらい・眼瞼内反症・眼瞼下垂手術など
● 専門的な診療
■レーザー治療(糖尿病網膜症・網膜裂孔・緑内障)
■緑内障の治療
■加齢黄斑変性の治療
■黄斑浮腫の治療
● 眼科一般診療
■近視などの屈折異常
■斜視・弱視
■結膜炎・ものもらい・花粉症
■コンタクトレンズ・メガネ処方など
● 検診
緑内障の検査・お子さまの検診など